ご利益がアップする参拝のポイントとは? 神社の場合、お寺の場合
初詣の正しい作法Q&A②
Q.ご利益がアップする参拝のポイントは?[お寺の場合]
A.ご本尊の名前を唱えれば願いが届きやすくなるかもしれません。
寺での参拝作法は、神社とは異なる部分もあるが、参道を歩く時に真ん中(正中)を避ける点は同じ。門は仏の世界と俗界の結界なので、くぐる前には軽く一礼する。門の名前は、山門、三門、南大門など、時代や宗派によってさまざま。
左右一対の金剛力士像がある仁王門もある。金剛力士は狛犬と同じように、一体が口をあけた阿形(あぎょう)、もう一体が口を閉じた吽形(うんぎょう)で、宇宙の始まりと終わりを表している。
境内にある建物の呼び方や配置も時代や宗派で異なる。金堂や仏殿、本堂などと呼ばれる建物の中に本尊となる仏像が祀られている。建物の前でお参りする場合は、お賽銭をし、あれば鰐口を三回鳴らし、合掌する。
寺でも現世利益を祈ってもよいので、ご本尊がどんな仏様でどのようなご利益があるかを前もって調べておこう。ここで般若心経などのお経を唱えたい人もいるだろうが、初詣で混雑している場合は、ご本尊の名前の前に「南無(なむ)」という言葉をつけて唱えるのもよい。南無とは、「帰依します」という意味で、これを唱えることにより、願いごとがいっそう仏様に届きやすくなる。本尊が阿弥陀如来なら、「南無阿弥陀仏」、釈迦如来なら「南無釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)」。真言宗の寺ならば、「南無大師遍照金剛(だいしへんじょうこんごう)」でもよい。大師とは弘法大師空海のこと、遍照金剛は、空海が中国で密教の師から授けられた名号である。
〈雑誌『一個人』2018年1月号より構成〉
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